2009夏の終わり 朝霧天空祭の後、初の「ドゥルパドツアー」で各地を回らせていただきました。
京都コクーン~福井~新潟~北海道 

 

声楽のShreeさんと、私のスールバハールで、ドゥルパドスタイルのジュガルバンディー(ラーガをデュエットで描く)を金子哲也さんのパカワジ伴奏で、というユニットでした。


じつは自分にとって、これは以前に経験のない新しいことでした。
いままでドゥルパド様式を正式には習っていない私ですが、それはもともとシタールでやっているカヤール様式のルーツ音楽であり、
イ ンドのヴァラナシにいた頃(1986~)、ドゥルパドメーラというレアーなお祭りに何度も行けたこと、ドゥルパドをやっている数少ない方々との出会いにめ ぐまれたこともあり、当時からその古式ゆかしいスタイルのすばらしさ、スピリチュアルな息吹を感じ、インド音楽の神髄としてとても感動していま した。
習っていたシタールとカヤール様式の音楽。それらとドゥルパドとの関係性に感心をよせつつ、その深遠な世界にすこしづつ触れていった感じでした。

その昔、スールバハールを特注して作ってもらったのは、古楽器ルッドラビーナビジットラビーナサラスワティービーナのすばらしい音色に魅了され、とりわけそれら ビーナとの共通性を多くもち、さらに共鳴弦を多くもつスールバハールに 「あこが れ」を抱いたからでした。
し かしどこの楽器屋に行っても、そのての楽器をみる事はできず、PC や youtube などもちろん世にはなく(白黒テレビや電話もあまりなかった頃でした)、なんとかみつけた音源としては、街中のお店を徹底的にみて歩き、 やっと見つけたカセットテープが、わずかながらにある程度でしたし・・
とにもかくにも、注文して作ってもらったらどうかということで、思い切ってオーダーしたのでした(1990年?)。
それも自分の体格で演奏可能なサイズを最大限にして下さいと。(大きい事はいいことだ、みたいな思い込み、。)

結果数ヶ月後、めでたくすばらしいスールバハールを手にした時の感激はたいへんなものでした。
美しくすばらしい彫刻、ネックの最上部に龍の頭がついていて、もうその楽器それ自体が「寺院」のようでもあります。

しかし、それと同時に「たいへんなのは」やはり弾き方だし、いやそれ以前に運び方、ケースは?とかも、。
大型のシタール=スールバハール、実際にはとてつもなくたいへんなもので、
弾けば左手は痛いし、右手の関節はヤバそうで、腰や背筋のそれぞれがこってきて

「もう、挫折、。」それを弾く都度感じて、
「シタールはある程度弾いているし」という入手前の甘い考えはすぐに吹っ飛んでしまい、どうすんの?。でした。
と、まぁ当時はたいへんでした。

 


写真 左:スールバハール 写真右:シタール

 

 

そして年月を経て、ながく ドゥルパド声楽を修行されてるShreeさんと練習させてもらい、金子哲也さんとともに多くの舞台で共演させてもらったこと、とてもためになりました。
また声楽、ヴォイスのワークショップなどもサポートメンバーとして参加できて、とてもよかったです。
「ふくよかでまるみのある音色、余韻のながい、奥行きのある響きを出すスールバハー ル。演奏できた事、とても嬉しくおもってます。」
企画ご協力いただいた多くの方々に、本当に感謝です。

 



石狩当別孝勝寺
石狩当別孝勝寺

 

 

 

 

 

以下ツアーの合間に撮った写真です


 

 

タブラの斉藤尚登氏と、素敵なイベントで共演させてもらいました。