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・・・Sympathy 共鳴・・・

Floating Flowing Overtone/Ambient Music by Indian stringed instruments

漂い流れる倍音(オーバートーン)の即興描写

「インドの弦楽器によるアンビエント世界」


1. 泉 izumi (12:14)       2. 夢 yume (35:33)

 

試聴用録音は、トラック1の冒頭→トラック2の冒頭→トラック2の前半

それぞれの抜粋です。
(音の質は、試聴用のため実際より劣化しています。)

 

スワルマンダールとタンプーラ
この録音で使った弦楽器は、本来どちらも「伴奏専用」として、インドの古典音楽に用いられる伝統楽器です。
タンプーラ<写真左下>は、古典声楽や器楽の背景となるドローン(通奏音)、倍音を含んだ持続音を提供し、ラーガと呼ばれるインドの伝統的な旋律の基本となる音(スワル)を導くのがその役割です。

また、スワルマンダール(インドのハープ)<写真右下>とは、古典声楽や器楽のメロディーの合間などに、そのラーガの音階を提示し、装飾的にドレスアップするとともに、歌い手のムードや、インスピレーションをたかめるのがその役割です。

 

そして、これら伴奏楽器のみによる独奏というのは、インド古典音楽の世界にはありません。
この録音では、自分なりの奏で方で、倍音(オーバートーン)の「漂い」を感じつつ、描いたものとなっています。

 

倍音(オーバートーン)は、一つの基本の音に相対して、2倍以上の整倍数として現れ、人間の可聴範囲を越えた帯域にも及びますが、それぞれの楽器のもつ特性から、倍音を含んだ音色は異なります。琵琶や三味線の「サワリ」と呼ばれる効果は、弦の振動がネックやフレットと干渉することにより、倍音を多く含んだ独特の音色をだします。インドの弦楽器シタールやビーナ、タンプーラも同じ原理で、土台(ブリッジ)と干渉する効果は「ジャワリ」と呼ばれています。世界中に分布する「口琴」(アイヌのムックリ、インドのムルシンなど)、またモンゴルのホーミー、トゥバのフーメイなどは、倍音が強調された音楽ですが、口の形、舌の運動、喉の力、息遣いなどを変化させる事によって様々な音を出す事ができます。また、口の内で「共鳴」させる音をコントロールすることによって、メロディーをかもし出したりします。しっかりとした美しい倍音発声は、非常に高度ですが、自然界の虫達(鈴虫、ひぐらしなど)、動物達の鳴き声の中には、天性として備わっています。

 


さらには、倍音に焦点を合わせていろんな音に耳をかたむけると、風にゆらぐ木々のざわめき、川のせせらぎの中などにも聴くことができるでしょう。つまりこの地球上は倍音であふれているのです。そしてきっと誰もが、美しい大自然の中に身を置くと、そのすばらしい倍音につつまれ、とても癒されるのではないでしょうか。

 

その昔、緑に囲まれた山村へ一時移住したとき、その環境は自然の息吹につつまれ、毎日の生活の中で、聴こえてくる自然音のシンフォニーを聴いていると、他のどんな音楽も必要ないように感じてしまい、肝心のシタールの練習すら遠のいてしまったものです。仮にここで聴きたい音楽、自然の音と自分が奏でる音楽が調和するとしたら、それはどんな音楽だろうか?、と思いめぐらしていました。

  

そんななかである日、ふと縁側で一人タンプーラを奏でたとき、木々のざわめきや鳥の鳴き声などとの、なんとも調和した音の織り成す世界に気づき、あらためてタンプーラの存在感とその偉大さを感じたのです。倍音を多く含む音は自然の中で聴いていると、とても調和した気持ちいい音であることを実感しました。その頃から、自分の持っているインドの楽器を用いて、いつか漂う倍音や揺らぎの世界をレコーディングしたいと思い始めしました。

 

それからある日、インドのオリッサ州を一人旅した時のことです。チルカレイクという湖の湖畔に宿をとり、移動の疲れをとって、夕食もすまし夜休んでいた時に、不思議と、倍音世界が突然どこからともなくふくらんでやってきて(幻聴だったのだろうか?わからない)、とにかく美しいキラキラとした音にしばらくの間つつまれ、魅了されたのでした!?。そんな体験は二度とないですが、。

 
えー...「たわごと」と思ってください...。じつはオリッサ州を旅した時に、未確認飛行物体かなにか?、夜空に浮かび、時にはげしく動き、時に水平、時に垂直に美しく動く、奇妙な星のような光りを見て(そばに居た4、5人も同時に確認したそうな)、そのこともあり、さらにオリッサという地方に惹き付けられて、各地を訪れ、チルカレイクの湖畔に居たのでした。

  


そして後にその時聴いた音と雰囲気を思いだしつつ、それに似たような音色を思いめぐらした時にうかんだのが、インドハープのスワルマンダールでした。タンプーラと同様に、インド古典音楽に用いられる「伴奏専用」の弦楽器ですが、調律をより共鳴を呼ぶ音階に設定して、音の群れを持続させる自分なりの奏法で、倍音の世界を表現してみたかったのです。もちろん体感した音のイメージとは違いますが、それに近いものを創ってみたかったのです。天空オーケストラの1stCDの最後の曲「koo」や、しばしば舞踏パフォーマンス、様々なセッションなどで、演奏する動機となりました。

  
そして今回の録音では、より倍音(オーバートーン)をフューチャーするために、フォーカスするために、2つの楽器のみでおこないました。
編集においては、たくさんの録音の中から、創作においての「意思、意図」のようなものとは別の、なにか「自然と手が動いた」部分を集める、という結果になりました。

アンビエントミュージック(環境音楽)は、聴く人のイメージをふくらませます。
お休み前に、マッサージのお供に、様々なセッティングのなかで、のんびりと聴いてください。

 

トラック1 一曲目は、「泉」というタイトルですが、
幼少の頃、しばしばみた同じ夢、自分が「岩清水の流れ」を観ているというもので、静けさの中、すごく小さな音をたてて流れ行くありさま、そのあまりの美しさ、清らかさゆえ、畏怖の念を抱き、驚いてその直後に目が覚めたものです。今ではその同じ夢をみることはないですが、その夢のイメージから音階を調律して奏でました。

 

トラック2 二曲目は、「夢」というタイトルですが、
「現実」というものは、それぞれ過去の体験や習性によって、思想や趣味によって、観念によって、ついついそう写ってしまうものではないでしょうか。つまりその時その人にとっての現実、それにどういう意味をつけるか、様々でしょう。しかし自分が変わると(意味が変わると)世界は変わるのですよね。
変えにくい習性、場合もありますが、ある人達同士の現実が一致したとき共感、共鳴したり。
でも寝ているとき自然とみてしまう「夢」というのは日常的なものもあれば、より非日常的であったり、創造的であったりします。
「いい夢がみられたらなぁ」という想いから、このタイトルにしました。

シタールが入ってなくて、ごめんなさい ですが、
タンプーラとスワルマンダールの合奏、織り成す倍音(オーバートーン)の世界をお楽しみください。

 

タンプーラにもう一人、

シタールの生徒:中山智絵が参加し(ジャケットの絵を描いてくれた)、

 


波の音は、屋久島栗生浜の音で、「珊瑚砂利」の浜です。岡野弘幹氏による録音
mixing&mastering は天空オーケストラでいつもお世話になってるkabachan

 

ご意見ご感想などいただけたら幸いです。

 

 南沢靖浩

 

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